漁業経済学会は漁業経済学の学会組織として1952年に発足し、約60年間にわたり学会活動を続けています。漁業経済学会では、主に次のような分野の研究活動を行っています。

○研究活動の分野
 漁業の政策、漁業生産の経済構造、漁業の法制度、漁業の経済、漁業の管理、漁業の経営、漁業労働、漁業協同組合、水産物市場と流通、漁村地域の活性化、漁村社会、漁業地理、漁業史、海外漁業等の社会経済問題を研究のテ−マとしています。

○研究テ−マの変遷
 時代と共に漁業は大きく変わり、それに対応して漁業経済学会のメンバーが取り組んできた研究テ−マも変化しています。これまでそれぞれの時代の主な研究を紹介しましょう。

1.
戦後段階の制度改革、漁村の貧困に関する研究
 戦後(1950年代から60年代)の日本漁業の政策は、失われた漁船を回復し、漁業生産をどのようにして回復するかが課題でした。実際に漁業の生産力の発展はめざましいものがありました。しかし漁村の生活は貧しく、依然として漁村における階級・階層問題が存在しました。そのため漁業経済の研究テ−マは漁村の封建制の一掃や民主化とともに貧しかった漁業をどのようにして他産業なみの所得にするかが大きな課題でした。研究課題としては、漁業制度改革の役割、封建的遺制との関係で歩合制賃金制度の議論、当時盛んになってきた北洋漁業等の資本制漁業の構造分析、等が多く研究されました。

2.
経済発展期における漁業の成長と流通システム、
 埋め立て・汚染問題の研究

 1960年代、70年代には、経済の発展と共に、新たなテ−マが持ち上がり、それに対応した研究テーマが精力的にこなされてきました。漁業の成長のメカニズムが議論される一方で、経済の急速な発展により工業開発による埋め立てや海洋汚染が深刻な問題になり課題とされました。また他方で需要が拡大したため市場システムや貿易の構造が大きく変化し、養殖や栽培漁業が盛んになり、これらの経済的問題がテ−マとされました。

3.
現在、200海里体制下の漁業再編と水産業の国際化等がテ−マ
 1980年代に入ると、経済発展によって水産物需要が一段と拡大しましたが、200海里体制に入り漁場が縮小しました。1990年代以降、長引く不況と水産物輸入の増大により、水産を取り巻く状況はより悪化しています。このため研究テ−マは、漁業構造の再編成やそれにともなう金融問題、沿岸漁業や養殖業の再構築を目指した資源管理型漁業や漁場利用問題、市場と労働力・資本のグローバル化に合わせた水産業の国際化問題など、多岐にわたっています。
 この他に、シンポジュウムにおいて繰り返し取りあげられているテ−マや、恒常的に投稿されるテ−マもあります。すなわち定期的なシンポ・テ−マとしては養殖業、漁協、労働力、市場・流通、漁業制度、沿岸・沖合・遠洋漁業、漁村の活性化、漁業管理などにかかわる諸問題が取りあげられています。また一貫して、恒常的に取り組まれているのは内外の水産地理、地域の漁業史、海外の漁業事情、水産加工業などです。

○漁業経済学会の活動
以下の活動を行っています。
 1.年3回の学会誌『漁業経済研究』の発行
 2.年1回の大会の開催
 3.短信の発行
その他、研究活動を活発化させるため出版、研究会の開催などを行っています。


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